コラム

第243話

“組織のあるべき姿”を見据えた人材育成プランが必要! ~その1

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“組織のあるべき姿”を見据えた人材育成プランが必要! ~その1

ユーザー企業・IT部門の弱体化が指摘されるようになって久しくなります。近年はシステムの構築・運用のみならず、企画までをも一括してITサービス企業にアウトソーシングするケースが増えており、一部の企業には、「このままではIT戦略を実現できる人材が育たなくなる」という危機感も芽生え始めてきました。また、世界的な景気後退の影響で人件費をはじめとするコスト削減のプレッシャーも高まっています。その上にDX推進による新たな考え方の導入にも迫られています。
では、そうした状況の中で、優秀な人材を育てて強いIT部門を実現するために、CIOや責任者はどのようなアクションをとるべきでしょうか。
IT部門のあるべき姿を見据えた人材育成を行うためには、どういった点に考慮すべきであるかを明らかにした上で、スキル標準の活用法を提示したいと思います。

高まるIT人材戦略の重要性

ユーザー企業のIT部門には、企業経営を支える部門としての重要な役割が期待されています。

近年は技術力だけではなく、ITを利用したビジネス・ソリューションの提供能力を期待されるようになり、ITの企画・構築・維持運用を担うと同時に、ビジネス価値の創出をも支援する部門と位置づけられるようになってきています。
最近では、景気後退の影響もあって競争が激化し、有力企業の間で生き残りをかけた熾烈な戦いが繰り広げられている業種も多いといえます。

また、M&Aや法規制の改定など、経営を取り巻く環境の変化も激しさを増しており、IT部門には、こうした変化に対応したITサービスを迅速に提供していくことも求められるようになっています。ここで重要となるのが、単なる変化への個別対応ではなく、質の向上とコストの最適化を前提として、PDCAサイクルを回し、常に安定したサービスをビジネス部門に提供できる組織へとIT部門を高めていこうという視点です。

そうした状況の中で、筆者は最近、企業のCIOやIT部門長から、IT人材の育成に関する相談を受ける機会が増えました。これも、経営トップが掲げる戦略を支援するために優秀なIT人材を確保しておくことがいかに重要であるかということが、企業の間で強く認識されるようになってきたことの表れでしょう。

筆者が策定に深くかかわってきたITSS、UISS、iCDなどスキル標準に対する企業の関心は確実に高まっています。IT人材戦略を練り直し、経営に貢献しうる組織になろうという動きは今後さらに活発化するはずです。

ユーザー企業のIT部門の課題

先述したように、現在、企業の経営陣はIT部門を「戦略部門」ととらえ、大きな期待を寄せていますが、実態は必ずしもそうはなっていないようです。その原因としては、次のようなことが考えられます。

  • ビジネス部門から見た場合、「IT部門は単なるインフラ管理部門」という認識にとどまっている

  • アウトソーシングが定着し、ITサービス企業にかなりの部分を任せるようになったため、IT要員が減り、スキルの空洞化が起きている

  • 本来、IT部門がビジネス部門からの要求をまとめてITサービス企業に依頼するためのRFPの作成までもがITサービス企業任せになっており、提案された金額をそのまま予算化しているケースもある

  • IT部門のスタッフに、情報システムが自社のビジネスと直結しているという意識がない

  • 希望してIT部門に配属されたのではないスタッフも多く、そうしたスタッフはキャリアパスを描きにくく、今の仕事を自分の将来に結びつけることができないでいる

  • 上に挙げたようなことが影響して、業務に対するモチベーションが上がらない

今、多くのユーザー企業がこのような問題を抱えており、その中には、どうすれば経営戦略に合致したIT戦略を立案・遂行可能なIT部門を実現できるかについて、真剣な検討を始めているところも少なくありません。

また、その一環として、ITスタッフのモチベーションをどのように高め、個々人のパフォーマンスを最大限に引き出していくかや、それを各人のキャリア設計にどう結びつけていくかということなども検討され始めています。

加えて、上司と部下の共通理解を促すコミュニケーションをどう活性化させるかといったことも、重要なテーマとして検討の対象になっています。


~その2につづく
次回は、IT部門のコア人材やIT人材のリーダー素養などについて、お話を進めていきます。

公開日:

2022.03.11

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