先回から少し間隔が空いてしまいました。その間、スキル標準ユーザー協会のカンファレンスがあり、大勢の皆さんにデジタルスキル標準の活用方法についてお話させていただきました。多くの個別相談のお話をいただいて対応中ですが、DXを進めるうえでデジタルスキル標準に注目されているのがよく分かりました。
先回までのストーリー
間が空いてしまいましたので、前回までのおさらいをします。
1.具体的な活用方法については提示されていない
2.スキル定義の表現に抽象的なものが目立つ
3.現在の定義体は、ITSS+レベル4相当として策定されている
→ 他レベルに拡張されるか、このままかは未定。使い方に注意が必要
4.人材類型・ロールについての理解には注意が必要
人材類型・ロールの定義 「期待される役割、求められるアクション」 は、範囲が広い上に重複が 多く、概念的にも曖昧
ロールは一般的な役割とは異なる
→ 一人が一度に担う仕事の単位ではないロールは育成する単位ではない (複合型)
実際にビジネスの現場でDSS-Pを活用するには、提供されたコンテンツをそのまま使っても100%うまくいきません。
現場で、一人が一度に担う仕事の単位での役割定義にすることが必要です。
そのためには、iCDやスクラムガイド等を活用してロールの機能分解が必要になります。
ロールから機能に展開するには

図は、DSS-Pで提供されているビジネスアーキテクトのロール定義から機能に展開する流れを表したものです。iCDをお使いの皆さんは、機能をタスクと読み替えていただいても構いません。
左上のロール定義を読み解き、iCDのタスクリスト、ITSS+、スクラムガイドなどから該当する機能を取り出します。実際にこの作業に取り組むとはっきり分かることは、DSS-Pで定義されているロールは、現場で使うには範囲が広すぎるということです。
次に展開された機能を、現場で一人で担う単位に分割します(図の中央のピンクの楕円)。それぞれに役割り名を付けておき、現場で仕事を進める局面で、実際に担当する方に割り付けることになります。
現場で使える役割に

図は、ロール定義から機能展開された一部です。
これが部分だとすると、全体を想像すればとても一人で担える範囲ではないことが明らかです。
ロールの機能構造を役割単位に分け、現場では人材を割り付ける

図はロールの機能構造を左側に示しています。
それを実際に一人が担う単位の役割でくくり、現場では各人材を役割に割り付けるという流れです。
このように、機能構造として定義しておけば、将来的な変更にも柔軟に対応でき、メンテナンスしやすくなることを理解いただけると思います。
もしこの形態をとっておらず、ロール定義やスキルをそのまま使ってしまえば、上手く運用できないばかりか、なぜそうなっているかの説明も十分にできなくなります。
世の中が極端に変化していく現在、後々のことも十分考えた仕組みにしておくことが、現在の担当されている皆さんの大きな責務だと思っています。
簡単な方法に流されてしまわずに、十分に頭を使って論理的な仕組みを構築していくべきです。
DSS-P 理解のポイント
DSS-Pを理解する上でのポイントは次の通りです。
DSS-Pは、あらゆる業種・企業規模にも適用できる最大公約数的定義体
ビジネスドメインから、DSS-Pに定義されていない人材やスキルがある、 また、自社向けには不要なものもあるはずで、それらを勘案した上でどのように進めるか考えるDSS-Pなどスキル標準から戦略を描こうとすることや、提示されたスキルを身につければDXが進むということではないという理解が重要
DXを通じて何をしたいのかというビジョン、その推進に向けた戦略を描いた上で、 実現に向けてどのような人材の確保・育成が必要になるかを明らかにし、人材体系を構築すること
公開日:
2025.10.08