ITSSやiCDなどのスキル標準をお使いの方々から、DXスキル標準に関して「これ一体どう使うの?」という質問をよくいただきます。国側から使い方のガイドはありません。
筆者は、中身こそ違え「まるで2002年に公表されたITSSに戻ったようだ」という感触です。
今回から数回に分けて、その捉え方と使い方について解説していきます。
DXスキル標準(DSS-P)に、どのように手を付けるか
DXリテラシー標準は、IT人材にとって持つべきITリテラシーを定義したもので、DXうんぬんに関わらず必要なものを取り上げています。各企業も自社で定義されていることも多く、ここでは特に解説する必要もないと思います。
DSS-Pについて研修事業に関わっている方からよく聞くのは、これでスキル診断をすればいいのでは?という安直な意見です。
過去から何度も強調していることですが、これでは提供された膨大な定義を使ってスキルを計った後どうするのか、という問いに答えられません。
つまり、自社の戦略や事業計画に沿って考えられた目標ではない中で、単純な診断が何の役に立つのか、ということです。それでも、無理解な経営者や責任者の言うことに逆らえず後先を考えずにスキル診断をし、社員にいらぬ負荷をかけた上に結果を出せずとん挫するという状況が見受けられます。言われたことに反論する知識と勇気が、担当者に不足しているのです。
ITSSが出て20年を超えますが、いまだに変わらぬ状況に心が折れそうですが、負けずに気持ちを新たにして頑張りたいと考える次第です。
DSS-Pを正確に理解する
まず大事なのは定義されている内容を、客観的事実として正確に捉えることです。
何を意識するかというと
「企業ごとにビジネスモデルや目標が異なることをどう取り込むか」
「自社の目標達成に貢献する人材の育成、及び適正配置による組織力強化」
の2点です。公表された内容でスキル診断をしても、上記を意識したとは到底言えません。
DSS-Pの客観的事実を捉えると次の通りです。
1.具体的な活用方法については提示されていない
2.スキル定義の表現に抽象的なものが目立つ
3.現在の定義体は、ITSS+レベル4相当として策定されている
→ 他レベルに拡張されるか、このままかは未定。使い方に注意が必要
4.人材類型・ロールについての理解には注意が必要
人材類型・ロールの定義 「期待される役割、求められるアクション」 は、範囲が広い上に重複が多く、概念的にも曖昧
→ この範囲のスキルを持てたらこの職位とするというようなイメージ?ロールは一般的な役割とは異なる
→ 一人が一度に担う仕事の単位ではないロールは育成する単位ではない (複合型)
5.現場での役割設定などに使うには、一人が一度に担う仕事の単位での定義が必要
→ 実際に活用するには、iCDやスクラムガイド等を活用してロールの機能分解が必要
ここでいう「機能分解」がDSS-P活用のキーポイントです。
次回から詳しく説明していきます。
~その2につづく
公開日:
2025.10.08