その1、2でDX概要、およびその推進による様々な変化をお分かりいただけたと思います。過去の延長線上にはない世界が見え隠れしてきました。そうなってから、さてどうしようかと考えるのでは遅すぎます。
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課題解決型 |
ITシステム開発は、大きく分類して「課題解決型」と「価値創造型」に分けることができます。
「課題解決型」は次のように定義できます。
・業務の効率化やコスト削減が主な目的 ・課題は明らかで、要件定義を基に開発手順や工数などを明確にし、計画的かつ確実にシステム開発を進め、信頼性を重視 ・ウォーターフォール型開発が適している
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価値創造型 |
対して「価値創造型」は次のように定義できます。
・ビジネスを創出し、新しい仕事や価値を次々に生み出していくことが目的。 ・あらかじめビジネスモデルの最終形を定義することは難しく、システム開発の道筋も明確ではない。事業者とシステム開発者は目的を深いレベルで共有 ・スピード感を重視して、試行しながら開発を進めるアジャイル型開発手法が適している
長らく実績のある課題解決型は、これからも有用なことは間違いないことですが、それよりビジネスに対して大きなインパクトを持つのが価値創造型です。 |
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iCDとITSS+ |
iCDは、タスクディクショナリの構成で、ウォーターフォールを基本としていることが一目で分かります。それだけで、DX技術に対応するのは難しことがお分かりいただけると思います。
つまり、 「iCDだけでは今後の人材戦略には使えない」
ということがはっきりしています。
AIやデータサイエンスなど今後の中心になっていく技術をタスクで表現するのは難しく、仮にできたとしてもミスリードする危険性が大きいと言えます。
また、出来上がったコンテンツでタスク遂行力チェックやスキルチェックをして、ギャップから育成計画を作成していくような代物ではないということです。 そういったやり方にこだわっていてはだめなのだと思います。
そこで経済産業省、IPAはITSS+に活路を見出しました。 ネーミングに関しては賛否が分かれますが、ITSSとはまったく別物になっています。 今までのITSSの職種の横に並べて・・ということではないことを理解する必要があります。
図の左側は課題解決型を中心とした従来のIT投資を表しており、これがITSSの基本的な考え方になっています。 対して右側は、今後必須になるDX時代の攻めのIT投資を表しています。 スピード重視や、ビジネス部門が中心になって進めるパートナーも一体となる組織化の話などが書かれています。
先にも書きましたが、課題解決型だけでなく、今後はDX推進を睨んで価値創造型を部分的にもスタートしていくことが重要であると言えます。
〜その4に続く
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登録:2022-03-11 21:22:01
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