iCDは、「タスクディクショナリ」と「スキルディクショナリ」で構成されたシンプルで柔軟性のあるスキル標準の最新版です。 今回は、iCD導入・活用のタスク分析に続くステップ、「タスク役割定義」について説明します。
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To Beタスクの設定 |
タスク分析では、自社の経営戦略や事業計画を基にTo Beタスクを求めていく作業を実施しました。iCDとして提供されているタスク群は、どのような企業でも活用が可能なように大変広い範囲で定義されています。それゆえ、そのまま自社に適用しようとすると多すぎるタスクに四苦八苦してしまうことになります。タスク分析では、自社の将来像をにらんで多すぎるタスク群から必要ないものを削除することが基本となります。そうは言ってもAs Isに合わせてしまうのではなく、あくまで将来、To Beに照準を合わせることを忘れてはなりません。現在実施していないタスクであっても、将来必要であれば残しておくことになります。 その結果、机上での検討ではありますが、仮説のTo Beタスク群が出来上がることになります。 仮説ですので、完璧さを目指したものではなく、要件分析で示したあるべき姿が反映されたものになっている必要があります。 |
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タスク役割定義 (1) |
「役割」の定義は、まさしくビジネスを回していく現場での役割、ロールであり、人材と1対1ではありません。ある会社の課長が、プロジェクトマネージャと上流工程の基本設計を兼任しているというのはよくある話ですが、まさに複数の役割をこなしているという例になります。今までITSSやETSSでは「職種」、UISS・CCSFでは「人材像」という呼称を使っていました。それぞれ意味があって分かりづらい、混乱するという声を耳にしてきましたが、iCDでは「役割」に統一しています。企業活用に一番馴染みやすいことも考慮されています。 では、役割設定はどう考えればいいかということですが、仮説のTo Beタスクをいくら真剣に眺めてみても答えが出るわけではありません。役割名称をどのようにするかはともかく、自社のビジネスを回していく上において適切な分担である必要があります。
この図のように自社におけるビジネス上の2つの視点を設定し、どの部分をどのような形で担うかを議論すると考えがまとまりやすくなります。過去の職種や人材像にとらわれて議論が狭くなるのは避けねばなりません。どういう名称にするかより、ビジネス上の役割を意識する必要があります。 役割は次の事項を頭に置いて議論するとスムーズに進みます。
@役割はタスクの責任範囲で表現する タスク×役割の図のように、縦軸にTo Beタスク、横軸に役割を置き、役割ごとにタスクの範囲を設定します。図では「1」が責任を持つタスク、「0」がかかわるべきタスクとして定義している。 Aタスク、役割の相互レビューを行う ・各役割に重複しているタスクがあり妥当でないと判断できる場合は、タスクの分割などを検討する ・役割で示すタスク責任範囲が、広すぎる、狭すぎる、または冗長感がある場合などは、役割の分割や新設などを検討する
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タスク役割定義 (2) |
B役割名称で会話できること ・今まで使ってきてなじんでいるもの ・役割をイメージできる名称 ・興味や希望がわく名称 |
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タスク役割定義 (3) |
Cタスクプロフィールを参照する 役割別タスクプロフィールは、ビジネスの役割分担の例を示すタスクセット。
〜その7につづく 次回は評価項目の設定に入っていきます。 |
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登録:2022-03-11 21:24:15
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