スキルスタンダード研究所は、各業界へのスキル標準の活用・推進、プロフェッショナル人材育成に向けたコンサルティングサービスを提供します。
ITスキルスタンダード研究所
スキルスタンダード研究所についてニュースサービスドキュメントコラムお問い合わせ
コラム
89話:「ITSS V2」、「UISS」、「ETSS」を100%活用できるスキル管理ツール「SSI-ITSS」
 他社と比較するのではなくて、「自社のビジネス目標達成に貢献する人材を育成する」ことが重要だと多くの企業が気付きはじめました。その目的で3つのスキル標準を100%有効活用できるツール、それがITSSユーザー協会のスキル管理ツールの「SSI-ITSS」です。
スキル管理システム「SSI-ITSS」は、オンデマンド・アプリケーション
クリックすると拡大  筆者が長年現場で苦労してきた人材育成についての経験の積み重ねと、ITSSという切り札によって結実したソリューションが「SSI-ITSS」です。2002年には既に筆者の頭の中にその構想が固まっていました。各企業が、個別にスキル管理の仕組みやスキル定義自体を自社開発し、コストをかけて維持管理していた過去の状態から、ITSSが開放してくれるはずだと確信していました。
スキル管理システム「SSI-ITSS」は、そのコンセプトからオンデマンド・アプリケーションと呼べる内容になっています。

・ITSSに沿ったスキル定義を持つ。
・ITSSにはない業界、業務、要素技術、個別技術などのスキル定義を持つ。
・上記2種類のスキル定義は、ITSSユーザー協会がメンテナンスして行く。
・UISSのスキル定義をそのまま追加できる。
・ユーザのビジネス形態から、必要なスキルを上記定義から選択する機能を持つ。
・ユーザのビジネス形態から、上記の定義に不足しているものを追加する機能を持つ。
・人材育成の継続性を考慮し、スキル定義項目に対して個々のスキルデータを蓄積していく、インベントリ型のシステムである。
・ITSSのキャリアフレームワークにスキルデータをマッピングして可視化する機能を持つ。
・企業独自のキャリアフレームワークを複数個作成する機能を持つ。
・独自キャリアフレームワークに、スキル条件を設定する機能を持つ。
・独自キャリアフレームワークに、スキルデータをマッピングして可視化する機能を持つ。

 ここでのキーポイントは、上記の「機能を持つ」ということです。ユーザごとにビジネスモデルも、ゴールも異なるわけですから、そのユーザごとの環境を作れないと、意味が無くなるということになります。
このそれぞれ異なる環境を持てる機能をサポートしていることこそが、オンデマンド・アプリケーションと言える理由です。

スキル診断ツールとの違い
クリックすると拡大  ここでは、それぞれの用途の違いを基本として説明します。
スキル診断ツールの大半が、最初に職種専門分野を限定する方法を取っています。標準職種内での位置づけを知ることは可能ですが、これでは初めから枠を設けてしまうことになり、自分のスキルをすべて表現することはできません。
 スキル管理システムとして考えると、人材の適材適所の配置やプロジェクト要員アサインなどを考慮する必要があるので、診断ツールでの方法では現実的ではありません。用途が異なるのです。標準装備しているITSSキャリアフレームワークについては、全ての職種に必要なスキル項目に対して、エンジニアのスキルデータを棚卸しておき、それをITSSのルールに従ってキャリアフレームワークにマッピングして表示するという方式で実現しています。
 また、一度スキルデータをインベントリしておくと、それを元にスキル管理システムとして継続運用が可能です。最初の棚卸は少し大変ですが、毎回全てのスキルデータを入力する必要はありません。この方法をとっていると、ITSSキャリアフレームワークが変更されてもあわてる必要はないのです。根幹となるスキル定義項目を押さえて、そこにスキルデータを蓄積しているのですから、キャリアフレームワークの変更はマッピングのための条件を見直すだけで大丈夫なのです。キャリアフレームワークの変更によるスキルデータの移行も必要ありません。キャリアフレームワークが変更されてもスキル定義項目そのものが変更されることはないからです。これはDOA(Data Orientedd Approach)の考え方に基づいています。
 また、このデータを好きなように組み合わせて、企業独自のキャリアフレームワークにマッピングすれば、企業のビジネス観点で見ることができます。

人材投資のためにITSS V2を100%活かせる「SSI-ITSS」
 ITSS V2は、「参照モデル」であると明言されています。企業で実際に使うには、必要なものを追加していく必要があるということも、明確に書かれています。この辺りは、第83話:「ITSS V2」、「UISS」についての理解〜その1「ITSS V2」の正しい理解 で詳しく述べています。
 「SSI-ITSS」はそればかりでなく、継続した人材育成の仕組みづくりに一役買うことができます。ツールなのであくまで手段ではありますが、うまく利用することによって低コストで、継続した人材育成の運用が可能です。
 ただし、「SSI-ITSS」は便利な道具としての位置づけであり、使うだけでは何も生み出してはくれないし、何も解決してはくれません。経営戦略やIT戦略から落として行くことや、ビジネス目標を達成するにはどのようなスキルが必要なのか、また現在何が不足しているのか、そして企業としてのキャリアフレームワークをいかに策定し、どのような運用プロセス・評価プロセスを構築するかは、実績ある手法・手順で進めていくことが重要です。ITSS導入のプロからコンサルティングを受けることも、返ってコストダウンにつながることになります。先行事例をよく勉強したり、場合によっては、見学も含めて説明を受けるために導入済み企業に訪問したりなど、自ら積極的に動き、なるべく遠回りせずに進めることが重要なのです。
3つのスキル標準が搭載可能な「SSI-ITSS」
 「SSI-ITSS」は、自由にキャリアフレームワークが作れるという機能を持ちます。またさらにスキル定義はコンテンツ管理がされ、追加削除が自由に行えます。このあたりが、オンデマンドアプリケーションだと言われるところです。さらにお気づきのように、現存する3つのスキル標準を有効活用できるということにもなります。実際にUISSの定義とITSS V2のスキル定義を組み合わせて「SSI-ITSS」で活用されている企業が増えてきました。
 企業における人材戦略や人材育成は、頭を使って考えないといけないというのは確かですが、考えを固めて実現するHowの部分を見事に解決してくれるのが「SSI-ITSS」です。是非確かめてみてください。
▲▽ 関連サイト ▲▽
第83話:「ITSS V2」、「UISS」についての理解〜その1「ITSS V2
第88話:「ITSS V2」、「UISS」についての理解〜その4 最も効果
高橋秀典著「ITSSエンジニアリング」の本
登録:2011-01-30 15:51:53
 サイトの利用について | プライバシーポリシー | 情報資産管理方針 |
トップページへ戻る