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コラム
第66話:ITSSUGでスタートする「ITSS導入推進者トレーニング」について
 構造化され使いやすくなったITSS V2の登場で、導入コンサルタントや企業導入の担当者が、あわて出しました。今まで論理的に考えずに進めてきたので、独自解釈では対応できなくなったのです。理解不足がますます露呈してきました。ITSSユーザー協会では、企業側の導入推進者の理解度が、導入の成否を左右することを重要視し、このほど導入推進者育成のためのトレーニングをスタートします。
トレーニング内容
 トレーニングは、4日間コースですが毎週金曜日に開催という変則形です。第1回は6月2日スタートで、募集後あまり時間をおかず満員になりました。すでに7月の分も埋まってきています。6月、7月分については、トレーニングコンテンツの整備の観点から、受講料が25%offになっています。
ご覧のように講師陣は、それぞれITSS第一線で活躍している面々です。

○第1日 6月2日(金)
     AM ITスキル標準(ITSS)のねらい、構造、課題、動向
     PM ITエンジニアのスキル実態 人材マネジメントにどう活用するか(総論)
     NTTソフトウェア 駒谷昇一氏
○第2日 6月9日(金)
   AM 人材育成のしくみ構築への活用方法
     PM ITエンジニアのキャリアデザインへの活用方法
    日立システムアンドサービス 石川拓夫氏
○第3日 6月16日(金)
    AM 人事考課、社内資格認定への活用方法
     NECソフト 福嶋義弘氏
    PM 調達、受発注、社内外からの要員調達への活用方法
     パソナテック 加藤直樹氏
○第4日 6月23日(金)
     企業でのITSS活用方法と導入手順
     UISS紹介、スキルズインベントリの有用性/SSI-ITSSの活用方法
     総括、全体を通してのQ&A
     スキルスタンダード研究所 高橋秀典


これ以上は望めない講師陣
 このトレーニングは、ITSSUG導入コンサル認定委員会の第1弾成果として位置づけられています。委員長はNTTソフトの駒谷氏で、ITSSに関して長い活動経歴をお持ちです。特に最近では、大学の非常勤講師も務め、教育に関しては現場感を持った数少ない人材です。駒谷氏は第1日の担当で、IT業界の状況やITSS V2の解説も含めたITSS活用全体について説明します。
 第2日の日立システムアンドサービスの石川氏は、長い人事畑の経歴を生かし、日立直径SIベンダ3社合併直後の同社に、人材マネジメントの仕組みとしてITSSをうまく活用されています。企業統合の成功事例として取上げられることの多い同社の活用形態を軸に、人材マネジメント、経営マネジメントとは何かの具体的な内容を説明します。
 第3日午前は、ITSSの人事制度活用の事例で有名なNECソフトの福嶋氏の担当です。昨年公表したISV資格のマッピングは、現在でもダウンロードの1、2を争っているほど有効な資料になっていますが、福嶋氏は策定の中心人物でもあります。また、同社はITSSをそのまま人事制度に適用した例として取上げられています。一般的には、このような人事制度適用事例には誤解が多く、正しい評価をされていない場合もあるようです。今回は実際のところの説明とメリットデメリットなど、先行者として他では聞けない内容の説明になります。
 午後はパソナテックの加藤氏の担当で、調達の切り口での説明になります。調達にも様々な形態があり、同社のビジネスモデルからくる現場指向の具体的な考え方や進め方を聞くことができます。また、大手ベンダでも人材調達にITSSを使い始めており、今後の対応策としても理解しておくことが必須となることでしょう。
 第4日は、筆者の担当となります。ここでは、先の3日間の集大成として、導入手順の具体的説明となります。ここで説明する導入手順は、正攻法の手法を基本とした導入手順になります。導入を進める側は、正攻法の手法や手順を十分理解した上で、自社に最も合った方法を考え、導入するといった柔軟な考えを持つ必要があります。手法や手順は、その目的や考え方を理解しないと、うまく現場では使えないものです。
トレーニングコースの重要性
 スキル診断ツールベンダや、ITSS導入コンサルティングをビジネスとしている一企業の無料セミナーなどは、結構頻繁に開催されていますが、情報や内容がどうしても偏ってしまいます。本来IPAやITSSUGのような普及団体が実施しなければ、内容的にあまり意味があるとは言えないのですが、ようやくITSSUGで実施の運びになりました。
 ここでは網羅的な説明から各論まで、トレーニングを受けた方が、それぞれ会社に帰って導入のために検討することができるようになるための、本格的な知識を提供します。
 今まで何度も述べていますが、ITSSはパッケージのように導入すれば使えるようなものではありません。もう少しわかりやすく言えば、浄水器を買ってきて蛇口に取り付ければ、おいしい水が出るというものではありません。過去から企業が課題として捉え、苦しんできた人材についての問題が、簡単に解決するはずもありません。よく考えて議論して、それぞれの企業のビジネス目標達成に貢献する人材モデルを定義する必要があります。その基本的な考えがあって初めて導入手順が生きてくるのです。このトレーニングを受けてその通りのことをすれば、誰でも導入できるわけではないということを認識することが必要です。
 このトレーニングは、今まで情報不足でどうしようもなかった状態から脱出できる大きな足がかりになることは間違いありません。
▲▽ 関連サイト ▲▽
9月20日出版「ITSS V2の分かる本」 ( ITSSUG 導入推進者トレーニング )
登録:2011-01-30 15:46:35
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