スキルスタンダード研究所は、各業界へのスキル標準の活用・推進、プロフェッショナル人材育成に向けたコンサルティングサービスを提供します。
ITスキルスタンダード研究所
スキルスタンダード研究所についてニュースサービスドキュメントコラムお問い合わせ
コラム
第25話:「ITスキル標準」の活用状況〜動き始めた先進的企業の数々・第2回 テンプスタッフ・テクノロジー社
ファイザー社に続いて、ITエンジニアの人材派遣で有名なテンプスタッフ・テクノロジー社が、本格的な「ITスキル標準」導入を完了して運用をスタートされます。まず、システム受託開発と派遣の両方をこなすSI事業部120名からの適用になります。
導入における考え方
クリックすると拡大 ITサービス提供側の企業に「ITスキル標準」についていくら話しても、なかなか理解を得られず、人事制度にそのまま取り入れたり、とりあえず診断ツールで終わってしまったりという、悲しい状況が広がっている中で、正しい視点ですばやく導入を終えられたのが、テンプスタッフ・テクノロジー社です。テンプスタッフ・テクノロジー社は、ITエンジニアの派遣で有名ですが、「ITスキル標準」を取り入れようと決断されたのは、実は主たるサービスの派遣事業ではなく、かねてから顧客からの要望が多かったSI事業に本格的に乗り出すタイミングで、エンジニアの育成を充実したいということからです。
さらに根本的に異なるのは、テンプスタッフ・テクノロジー社皆さんのエンジニアに対する考え方です。派遣サービスを事業主体としているから、という説明をされていましたが、本当にエンジニア一人ひとりを大事にされます。希望は何か、将来どうなりたいかを真剣に聞き、サポートする文化があります。私もITベンダの一員でしたが、ビジネス主体の考えからか、「人材がすべて」と言う割にはあまりエンジニア個人のことを考えているとは言い難いと思います。結果として人材投資の考え方や、「ITスキル標準」をうまく理解できない、というところにそれが表れていると思います。
やはり経営層のトップダウンでスタート!
クリックすると拡大 トップダウンで陣頭指揮に当たられた藤崎取締役は、当初から「ITスキル標準導入は人材育成に尽きる」と言い切っておられました。自分は理解せず担当者任せにするというよくあるパターンとは全く異なります。メンバの方々が導入作業をされますが、取締役に対する何度かの報告会を設けて、進捗や出来具合をレビューする場を設定していました。その中でも、的確な把握をされており、責任者として安心できる舵取りをされていました。その成果として、約3ヶ月という短期間での「ITスキル標準」導入を達成されました。




感激の最終報告会
クリックすると拡大 後半1ヶ月のスキルセットの構築には、細かい配慮と大きく捉えるという一見相反する能力が必要です。何かに合わすのではなく、自らの目標を作り上げるという、IT企業の根幹を具体化するという作業です。大変ですが、面白くないはずがありません。私には楽しそうに見えました。(失礼!) その間メインで作業していただいた嶋田様、柴田様、本当にお疲れ様でした。
最終成果報告会では、皆さん本当に晴れ晴れとした達成感のある表情をされていました。私は、やり遂げられたメンバの皆様の、そのお顔が見たくてコンサルティングしているようなものです。
まず、親会社の「テンプスタッフ社」経営戦略分析から始まって、テンプスタッフ・テクノロジー社の経営戦略・SI事業部戦略につなげ、ビジネスモデルを確定してファンクション・モデルを策定しました。次に必要スキルの洗い出しからスキルセット構築、目標人材モデル策定を経て、スキル管理システム「SSI-ITSS」に落とし込んでいます。そのデモンストレーションも含めての最終報告会で、藤崎取締役も満足されたご様子でした。
「ITスキル標準」導入で、約3ヶ月という短期で素早く運用に入れたのは、嶋田様、柴田様、前田様、鈴木様といった優秀なご担当の皆様が、正しい理解と自分たちのためにいいものにするのだ、という強い意志がおありになったからです。モチベーションも高く、構築されたものに誇りを持っておられます。これは、仕事そのものにも当てはまることです。このようにモチベーション高く取り掛かれば、これだけいいものができて、なおかつ達成感もある、という見本のようなものです。
見えてきた今後の課題
私の知る限りITサービス提供側では、ここまで正面から取組んだ事例はありません。注目すべき素晴らしい仕組みです。
ここまで具体的に目標を明確にして、自らの強み弱みを可視化すれば課題が沢山見えてきます。ということは、今までITサービス提供企業の多くは、課題すらも見えにくかったということになります。
また、導入したものは製品ではないので、運用しながらいいものにしていくという姿勢が必要です。例えば、人事評価などにはつなげて行かれますが、まず運用しながらいいものにして、社員の皆さん自身が十分価値を認識されてから、次のステップとして考えられています。このように課題を明確にし、ソリューションを考え出すというプロセスが重要です。
この辺りは、具体的ないい前例が全くと言っていいほど無い部分ですので、活用事例として色々なところで発表していくつもりです。テンプスタッフ・テクノロジー社の皆様も、こころよくご協力を約束していただきました。
導入に二の足を踏む多くの企業より、一足先に素晴らしい決断をされたテンプスタッフ・テクノロジー社は、必ずや社員の皆様が評価・賛同しビジネス力がアップされて、一段も二段も上に行かれると確信しております。
登録:2011-01-30 15:36:03
 サイトの利用について | プライバシーポリシー | 情報資産管理方針 |
トップページへ戻る