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コラム
第235話:ITSSユーザーはどうすればいいか
 今年はいよいよiCDが本格的に展開される年になります。昨年12月のSSUG主催スキル標準ユーザーズカンファレンスでも、IPA共催で大々的に打ち上げました。
 このなかでITSSテンプレートを発表しましたので、今回はこれをからめITSSについて話をしたいと思います。
ITSSの浸透状況
 今年はいよいよiCDが本格的に展開される年になります。
昨年12月のSSUG主催スキル標準ユーザーズカンファレンスでも、IPA共催で大々的に打ち上げました。筆者の講演枠では、最新版iCDの概要説明、iCD活用企業認証制度開始のアナウンス、および既存ITSSユーザー向けのテンプレートも発表しました。

 聴衆は300名くらいで満員御礼でした。せっかくテンプレートを発表しましたので、ITSSについて話をしたいと思います。

 説明の冒頭で、「何らかの形でITSSを使われている」企業の方に挙手をお願いしました。そうすると2/3程度の方々が手を上げられました。そうすると200名くらいになります。今度は、その方々の中で環境やビジネスモデルなどの変化で、合わなくなっており何らかの対策が必要だと思われている方に挙手をお願いしました。結果、先ほどの約半分の皆さんが手を挙げられました。

 講演に参加されている皆様の中では、100名のITSSを活用されている方々が今のままで問題はない、と考えていることになります。
 あまり細かく質問ばかりできないのでここまでとしましたが、何らかカスタマイズしていることや担当が替わって制度の運用だけがプロセスとして繰り返されているケースもあると予想できます。
個別相談でのITSSの取り組み状況
 カンファレンスのアンケートで個別相談希望の欄を設けています。毎年30〜40社の皆さんがチェックされますので、翌月、つまり1月からスケジュールして個社訪問しており、今年も40社の企業を回りつつあります。

 特にITSSについて、今回の個別相談のこれまでの傾向は次の通りです。

・ITSSを使って数年以上運用されている企業は、環境の変化や意味づけの明確化などで、早めに見直したいと考えている
・同じく、担当が変わるタイミングになっていて、現状の仕組みの目的や意味づけが不明確になっている。
 また、新たに担当になった方は理解が浅いので、今後どのようにしていけばいいかわからない
・旧担当の存在が変革の障害になっている場合と、変えていくことを積極的に支援する姿勢の場合、しっかりと情報を引き継がず新担当が困り果てている場合の3つに分かれている

 ITSSが公表されて13年ですが、講演時の皆さんの反応から浸透度の深さは予想以上だと言えます。さらに、そのまま使っていくという傾向があり、これはどう考えても問題が残ります。

 ITSSは13年前にピークを迎えていたSI形態を色濃く、しかもかっちりと反映しており、ここまで環境が変化してきた昨今の状況から、企業の将来性や個人の能力向上を考えると、そのまま使い続けるということは大きな問題があるもしくは近い将来問題を招く可能性が高いと言わざるを得ません。

 ITSSができた当初から様々な企業を回ってきましたが、昔も現在も、今うまくいっているからいいじゃないかという考えを持たれている関係者が多いことに驚きを隠せません。ここしばらく個別相談で回っている中でもその意見が目立っていて、何とか改善しようと考える推進者の方の障害になっており、モチベーション低下の原因となっている傾向が見受けられます。

 変えることをよしとしない古い考えの担当の方は、いずれ新しい担当の方に替わることになり、そうなれば過去のしがらみが無くなって新担当となった方が新しい考えを取り入れることができるようになる、そのように期待していました。ところが前述のように、旧担当の方の影響力がいまだに残っていたり、現場にも同じ考えの方がいることや、引き継ぎなどがおざなりになって新担当の方が理解不足だということもあります。
また、誰かが作ったものを引き継ぐことによって責任感が希薄となり、単に運用するだけになってしまうということもあります。内容はともかく責任感・使命感を引き継ぐことは難しいのです。
新しい人材育成の仕組みを作るには
 では、どのようにすればいいのかということですが、まず担当の方が人材育成や組織・企業の将来をしっかり考えることができるかどうかが重要です。適任でなければ交替すればいいのですが、そのためには経営層や幹部の方がしっかりとした考えをもって見極めなければなりません。それができないならば止めた方がいいでしょう。
そもそもそういう企業ならこれらは課題として浮かび上がってきません。

 次に、担当の方は使命感・責任感があり、推進したいと思っている場合ですが、反対勢力があって思うように進まない場合はどうするかです。
 答えは一つしかありません。「味方を増やす」「声を集める」ことです。味方が経営層なら一番いいのですが、上司、現場の方々をどうやって賛同者にするかを考えることです。
 それを進めるには、担当の方自身がよく理解することがスタートです。それはiCDの構造がどうなっているか、どのように導入するかという方法ではありません。
 iCDをダウンロードしてこんなに多くのコンテンツなど使いきれない、と文句から始まる方がおられます。また、導入の最初のステップ、要件分析など難しくて工数がかかりそうでとてもできない、と言い放ってしまう場合もあります。
 これらは、少なくとも本質ではありません。
 それしか見えなくてあきらめる方は取り掛からない方がいいかもしれません。
まず、自社の組織や企業そのものをどうしたいのか、そのために何をしていくことが最適なのか、これを考えることに尽きます。iCDなどはあくまで手段です。先ほどのコンテンツが多すぎるや、方法が難しいというのは、手段を目的化しているにすぎません。だからできないものになってしまうのです。
 まず、目的は何か、徹底的に議論して見極めましょう。担当の方は説明責任があり、説明できないと誰も納得せず、ついてこないし、後押しもありません。説明はiCDについてではありません。

 ここを理解すれば説明できるし、説明できれば味方が必ずできます。
この目的のためにICDをこう使う、そうのように活用できるようにするために、この方法で導入する、それを説明できる分だけiCDを理解すればいいのです。

 勉強会から始めて仲間を作っていくのも一手です。私も呼んでいただければ馳せ参じます。
登録:2016-01-17 11:49:16
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