策定したTo Beタスクモデルは、こうあるべきと机上で考えたものであり、あくまで仮説です。その品質を上げることが大切ですが、それは後に説明するとして、まずはTo Beタスクを遂行するために必要なスキルを組み立てていきます。
CCSFのタスクモデルは、大・中・小分類で構成されており、小分類の下には必要なスキルセットがあらかじめ定義されています。ですので、スキルを組み立てるといっても、ベースとしてCCSFのタスクモデルを使っていますので、スキルセットもついてきているということになります。 ここで、提供されているスキル項目について説明をしておきましょう。
タスクの最下位である小分類をさらにブレークダウンすると、アクティビティ、つまり作業手順のような表現になります。たとえば、タスクの事業計画策定の下に小分類の「事業環境の把握」があるとします。これをさらにブレークダウンすると「業界動向の調査」など複数の作業が並びます。これを「〜できる」表現をしたものをスキルと呼んでいます。ここでは「業界動向の調査ができる」となるわけです。
これは理論的にもスキルであり、仕事をするための能力の測定指標として有効です。しかし、世の中のスキル定義は、これだけではなくもう少しスキルを分類するための体系に沿って定義されているものもあります。
PMBOKやBABOKなどはプロセス重視の定義がされているため、CCSFと似通った定義になっていますが、ITSSはタスクやファンクションの考えがないため、スキル・ディクショナリやスキル領域の考え方で分類されています。その理由の一つとして、トレーニングとうまく結びつけるという考えがありますが、現実にはあまりうまく表現できていません。本来はスキルとトレーニングの結び付けをすべきところが、キャリアフレームワークの印象が強いため、職種・レベルでの紐付けと理解している企業(特に教育ベンダ)が多いと言えます。
反対に現在のCCSFは、ITSSのようなスキル体系を持っていないために、情報処理試験などBOKを介してリンクさせるものには、対応が複雑になるきらいがあります。トレーニングへのリンクに関しても同じことが言えます。
そう考えると、CCSFの今後の改善点も見えてきます。
〜その9につづく |