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コラム
第196話:CCSF(共通キャリア・スキルフレームワーク)の活用方法 〜その3
 3月26日に、IPAより公表された共通キャリア・スキルフレームワーク(CCSF)について、考え方や使い方についての解説していきます。今回は3回目です。
CCSFを活用したスキル標準導入活用プロセス
クリックすると拡大  「CCSFを導入する」わけではありません、CCSFを使ってスキル標準を導入するという考えです。再度CCSFを使わない場合の問題点を次に示します。

・ITSSとUISSなど複数のスキル標準を使いたいが、構造が異なるのでどうすればいいか分からない
・自社の戦略や事業計画にあった人材を目標として設定し育成を進めたいが、どうしていいかわからない
・3つのスキル標準が別々に管理されて、なおかつ更新されていくことにより、維持工数の増加や、複数スキル標準の活用が難しくなることが予想される

 上記のような課題を解決するために、スキル標準の導入ツールとしてCCSFが策定されました。その導入活用プロセスは図のように提示されています。

 導入ステップを簡単にまとめると次のようになります。

要求分析
 ・経営戦略、事業計画などに基づき、ビジネス目標の達成に必要な要件をまとめる
 ・組織のあるべき姿、組織構成や人材に求められる要件を明確化

機能分析
 ・現状(As Is)だけではなく、将来像(To Be)を見据えたタスクを網羅的、体系的に洗い出す
  →企業全体で最適化された効率的なビジネス推進体制の実現
 ・環境や企業戦略の変化に伴う組織改正やミッションの変更に対応
  →アウトソースする(される)際の役割分担を明確にし、整合性確保
    と効率化

人材像策定
 ・人材の役割・キャリアパスを明確にし、組織の生産性向上と個人のモチベーション向上  
  → 組織力向上に向けた、人材の重要性の確認と役割分担の明確化
要求分析
 「要求分析」というと、多くの担当者の方が「そんな難しそうなことはとてもできない」、また「工数がかかりそう」と尻込みされる場面に出合います。「専任者や担当部署が作れる大手ならできるが、中小企業にできるはずがない」と、断定的に言う方にもよく出会います。また、「できないからITSSをそのまま既製服のように使える」と、さも当たり前のように考える人もいるようです。

 以上のような話は、やってもいないのに勝手にネガティブに予想しているか、理解が決定的に不足していて、そのことを自分で分かっていないかのどちらかです。また、本当は人材育成を重要視していないという、言行不一致の場合おあるかもしれません。
 企業として順調にビジネスが推移している時ばかりではないので一概に言えませんが、状況により優先順位を変えることと、重要視していないということは明らかに異なります。

 企業としてのビジネス目標があり、その目標達成に貢献できる人材を明らかにし、現状との差から育成計画や採用計画を立てていくということに対して異を唱える人はいないと思います。
 ビジネス目標は企業ごとに異なり、当然達成方法も異なる、必要な人材も異なることになります。要求分析は、それらを明らかにし、人材戦略立案につなげていくための大事なステップです。

 自らの目標やゴールを明らかにする、これが大手だからできて中小だからできないことでしょうか。

 〜その4に続く
登録:2012-07-10 10:58:23
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