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コラム
第137話:「3K」、「7K」? 「給料が安い」、「帰れない」? IT業界に対する誤解
 TVや雑誌で、IT業界をよく「3K」と揶揄したような表現をされています。
それどころか「7K」や「24K」という話もあります。本当にそうなのでしょうか。
「K」とは
3K = 「きつい」、「帰れない」、「給料が安い」

7K = 3K + 「休暇が取れない」、「規則が厳しい」、「化粧がのらない」、「結婚できない」

以外に、次のような表現が出てきます。

「幹部が傲慢」、「キリが無い」、「気が休まらない」、「休憩できない」、「心を病む」、
「雇用が不安定」、「子供を作れない」、「(必要)経費が自腹」、「過労死」・・・

 結局、多くの「K」は、3Kで言っている「きつい」、「帰れない」、「給料が安い」を掘り下げていったもののようです。
求職難か、求人難か
クリックすると拡大  景気減速で、有効求人倍率(企業の求人数を求職者数で割ったもの)が見る見る下がってきています。
2009年2月27日の厚生労働省公表によると、2008年8月に「0.86」だったのが、2009年1月には「0.67」になっています。
正社員に関しては、なんと「0.43」になっています。

 ところが、ことIT技術者については、左の表のように「3.38」という結果が出ています。
未だIT人材不足は続いているということです。
「給料が安い」は本当か?
クリックすると拡大  では、「給料が安い」ということについてはどうでしょうか。

2009年3月3日の日経夕刊に次の記事が掲載されていました。

・派遣時給の急落 2009年1月度 1551円(前年同月比 -2.3%)

・IT系技術者は、2009年1月度 1928円 (前年同月比 +3.3%)

 全国の職種別の年収ランキングを見ると右の表のように、15位で「745万円」なっています。一部上場企業が調査対象ですので、一概に言えないとは思いますが、総じて低いわけではないようです。
「労働時間が長い」は本当か?
 それでは、「労働時間が長い」についてみてみましょう。
厚生労働省大臣官房統計情報部賃金福祉統計課が平成18年に公表した「賃金構造基本統計調査報告」では、次のようになっています。

職種別月間労働時間 約360万人の男性就労者についての統計
 ・「49職種」平均月間労働時間:191.6時間

 32位:システムエンジニア/183時間
 34位:プログラマ/182時間
 37位:電子計算機オペレーター/179時間

ちなみに
  1位:営業用普通・小型貨物 自動車運転者/216時間
 37位:百貨店店員/179時間
 49位:大学教授/163時間

 これで、「3K」などの表現は必ずしも正しくないということが分かります。
3月2日の日経朝刊に政府原案・3兆円投資3ヵ年プランが掲載されていました。IT分野で40−50万人雇用を生み出すという計画です。
Howが無いのが気になりますが、必ずしも先は暗くないようです。
登録:2009-03-28 16:23:10
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