今年1年、当コラムにお付き合いいただきましてありがとうございました。今回はしめくくりとして、3回にわたって続けてきました「スキル標準導入時のハードル」についてまとめてみます。 来年のコラムは導入に引き続き、活用に焦点を当てた内容からスタートする予定です。 また、来年2月3日にスキル標準ユーザー協会主催で「成功事例・失敗事例に学ぶITSS・UISSの最大有効活用」と題したセミナーを実施いたします。スキル標準の導入・活用でお悩みの方は是非ご参加ください。
|
|
導入時のハードル 〜おさらい |
3回にわたり解説してきました導入時のハードルについてまとめてみます。
導入を検討するきっかけは次の通りです。
@経営者、経営層、責任者などが、人材育成の仕組みづくりのために、スキル標準の導入を指示した場合 A経営者、経営層、責任者などが、スキル標準については明言せず、人材育成に力を入れるという方針を出している場合 B現場サイドから声が上がり、人材育成に関する改善策の具体化に迫られた場合 C人材育成担当自身が、現状から人材育成策強化の必要性を感じ、具体化しようとした場合
@、Aは典型的なトップダウンで、導入意義の共有や社内統制などは整っている場合が多く、比較的スムーズに導入を進めることができる環境です。ただし、どのように経営戦略・事業計画を落とし込むのかや、どんな方法で導入するかは、事前に経営層や責任者に明確にしておく必要があります。つまり、導入の流れや意味を十分理解していないと説明ができないということです。
BやCは、@・Aに比べて高いハードルが待ち構えていると言えるでしょう。 Bの場合は、声を上げた現場の方の声が大きいと、理解不足のまま進めることになりがちで、具体的になるに従いズレを感じてしまうことも多いようです。
Cは、@〜Bの場合に発生することプラス推進担当の方の社内での位置づけ、実力、使命感などに大きく左右されることになり、遅々として進まないケースもあり得ます。 |
|
導入時に推進担当者がやらねばならぬこと |
前述の@〜Cを踏まえて、導入推進者が何をすべきかを、次にまとめてみました。
・導入手順の理解 「とりあえずやってみる」は、失敗につながる可能性大です。熟考せずに、まずは診断ツールでスキルチェックをするなど、理解が浅いまま実行に移すことには賛成できません。 何が目的か、実施内容は目的に沿っているか、自社のモデルとして適正かを、よく考えてください。今迄どれだけ多くの企業が、その流れでフェードアウトしたかが、考えずに進めることの危うさを、如実に物語っています。 企業の人材戦略に直結する内容なので、とことん考えてから取り掛かることが必要です。後戻りはできないと考えてください。 ただし、そうは言っても一から考える必要はなく、IPAが推奨している導入手順を基本に考えていくと大変効果的です。 推進者としては、経営層や責任者に、導入の主旨や流れをしっかり説明できるくらいになっておく必要があります。
・コンサルタント活用の検討 推進者として、やりぬく自信が無かったり、目途がつかない場合は、迷わず外部のコンサルタント活用を考えてください。そんなに高価なものではありません。 この場合、とにかく診断をなどと奨めたり、本来の導入手順をうまく説明できないのは、スキル標準を理解できていないということで、本来のコンサルタントではありませんので注意が必要です。しっかりとした考えを持ち経験実績があるか、またIPAの導入手順に沿った考えをしているか、自己流に勝手な簡略化をしていないか、などがチェックポイントです。
・味方になる経営層の方と情報のシェア 取組みに対して理解のある経営層をいち早く特定し、後押ししていただくために考え方や情報をタイミングよくインプットしていく必要があります。
・運用の考え方や方向性を明示 導入検討の時点からどのように活用していくかを明らかにしておく必要があります。次回以降のコラムで詳しく説明しますが、あらかじめプロセス設計をした上で、現場管理者向けのガイドラインなどを用意しておくことも重要です。
・効果についての評価指標を事前に用意 どのような指標を使って効果を測定、評価するかは、事前に準備して説明できるようにしておく必要があります。
以上のように、導入時点であっても活用に踏み込んだ準備をしておくことが必要で、その内容を経営層、責任者、また現場の管理者に理解させることが、うまく導入を進めるひとつの要素になります。
もちろん、社内に向けて浸透させるために、推進者の使命感の強さやリーダシップが必要なことは言うまでもありません。
2011年2月3日(木)に「成功事例・失敗事例に学ぶITSS・UISSの最大有効活用」と題したセミナーを実施いたします。コラムでの実践的な内容を直接聞いてみませんか。ご参加をお待ちしています。(申し込みは下記)
次回コラムは、新年に入ってからとなりますが、いよいよ活用に踏み込んだ内容に入っていきます。 乞うご期待。 |
|
|
▲▽ 関連サイト ▲▽
|
・ 「成功事例・失敗事例に学ぶITSS・UISSの最大有効活用」セミナー
|
登録:2010-12-30 12:49:07
|